困ったことになる、『正解』という曲
記憶をたどってみると、観て、泣いてしまう映画というのは確かにあった。『E.T.』の終盤、自転車が空をかけていくシーンで滂沱した。
テレビ番組でもある。『探偵ナイトスクープ』のいくつかの回では、西田局長が涙を流したように、こちらも涙をこらえきれなかった。映像は感情の喚起力が強い。音楽が合わさるとさらに強力である。感情を揺さぶり、時に涙させる力を持つことは不思議ではない。
だが、音楽では、そこそこ長い人生の中で、曲だけを聴いて涙することはなかったように思う。たとえば、死んでしまった友人とよく歌った曲が突然流れてきた、というような、それにまつわる思い出が涙を誘うような曲であっても、涙を流したことはなかった。曲で「泣いた」という表現をしたことはあるが、あくまで比喩の話であり、心がウエットになったということであった。
ああそれなのに。驚いたことに、この歳になって、聴くと涙が出てきしまう曲が出現したのである。聴いていると自然に涙が出てきてしまうし、曲に合わせて歌おうとするとウェッウェッと嗚咽になって歌えなくなってしまう。
RADWIMPSというバンドの『正解』という曲。これが、息子がよく聴いてる若いバンドの曲なものだから、自分のことながら二重に驚いてしまう。
【18祭】「正解」RADWIMPSと1000人の18歳、感動の歌声